最終更新日:2021-10-30
アニメーション動画で情報提供、税理士作成のLINE動画配信システムが好評
- 2021/10/28
- 2021/10/30
コロナ禍において、顧問先や見込み客への情報配信やコミュニケーション手段として、最近注目されているのが動画配信。ただ、本格的な動画制作となるとノウハウが必要で、手間や時間、コストも結構かかり、断念せざるを得ない。 そうしたなか、税理士・公認会計士が作ったLINE動画配信システム「L-MagaZine」(エルマガジン)が、その手軽さが受けていま、注目されている。
士業向け配信サービスとして事業化
このシステムは、東京・渋谷区で開業するALEX会計事務所の児玉洋貴公認会計士・税理士(写真)が考案。従来から顧問先へ紙媒体やメールマガジンで情報配信してきたが、これだけでは顧客の変化に対応できないと感じていた。また、「顧問先からよく聞かれる質問に対して、担当者が応対する時間を効率化できないものかと考えた時に動画化というアイデアが生まれた。わかりやすい説明動画にすれば繰り返して見てくれるだろうし、簡素化も図れて今の時代にマッチするのでは」(児玉氏)と、税務情報や時事ネタを3分程度のアニメーション汎用動画にまとめ、事前に親しい会計事務所に見てもらったところ、反応が良かったため、士業向けの配信サービスとして事業化した。
同システムでは、専用のサイトから配信したい動画を選択するだけで、顧問先や提携先にLINEあるいはChatwork経由で動画を配信できる。配信内容は、「税務・会計・財務」、「相続・生前対策」、「人事・労務」の3カテゴリーから選択可能。気にいった動画をQRコード化して、紙媒体やメルマガ、ホームページ、SNSなどにも掲載できる。 動画コンテンツの製作においては、① 士業が日常の業務を組み合わせて使える動画になっているか②事業主が見て役に立つか③専門用語を使わず、極力敷居を下げる―などに気を配っているという。現在、サイト上には出張旅費規定の作成手順や相続の基本、就業規則の3本のサンプル動画がアップされている。今後は、主力な助成金・補助金関係、個人向けの資産運用といった動画配信が予定され、各カテゴリーにつき毎月1本~2本のペースで追加される。
利用料金は月額19,800円から
利用料金は、配信できる動画数によって3プランあり、最小の「1カテゴリー」利用は月額19,800円(税別・1年契約)から。「同じようなクオリティーで会計事務所自身が動画を作成した場合の10分の1の費用で済み、かつ、手間は一切かからないことから、コストパフォーマンスの良さが導入のきっかけにもなっている」(同氏)。
また、紙媒体と違い、LINEで送った動画の反応はユーザー事務所側でデータが把握できる。運営側でも、動画の視聴率などを管理できることからニーズを把握しやすく、人気が集まりそうなカテゴリー動画の追加製作が可能になるなど、双方にメリットがある。
リリース直後ではあるものの、「大手会計事務所と差別化して独自のカラーを打ち出したい小規模事務所からの反応が大きい」(同氏)としており、次のステップとして動画をカスタマイズして所長を登場させるなどのアレンジを加えた「オリジナル動画」も予定している。
情報配信やコミュニケーション手段として、「LINEと動画」をセットにした士業向けの次世代型情報配信システム。単なる情報配信に留まらず、会計事務所としての印象を良好に保ちつつ、事務所をアピールできる営業ツールとしての価値も高まりそうだ。
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税界よもやま話
元税理士業界の専門紙および税金専門紙の編集長を経て、TAXジャーナリスト・業界ウォッチャーとして活躍する業界の事情通が綴るコラムです。