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最終更新日:2021-04-11

食事・酒のテイクアウト コロナ禍で酒販免許3月末終了に不満の声

  • 2021/04/11
食事・酒のテイクアウト コロナ禍で酒販免許3月末終了に不満の声

コロナ禍での飲食店の救済措置として設けられた「料飲店等期限付酒類小売業免許」の期限が2021年3月末に到来し、国税庁では期限到来後も営業しないように注意を呼び掛けている。大人数での会食や営業時間の淡色など、飲食店は厳しい経営を強いられているが、テイクアウトで食事と一緒にお酒を販売するなどしてなんとか切り抜けてきた。それだけに、コロナ禍での営業制限が続く中、今回の期限到来には不満の声も聞こえてくる。

コロナ第4波到来でも延長措置なし

「料飲店等期限付酒類小売業免許」は、料飲店がコロナ禍において、お店で提供できなくなった在庫酒類を、食事と一緒にテイクアウト商品として販売できるように、期限付きで免許を与えたもの。2020年4月から6カ月という期限付きでの料飲店等期限付酒類⼩売業免許の付与だったが、一向に収束しないコロナ禍の影響もあり、延長の措置が取られていた。その延長期限が今年3月末で切れたのだが、第4波の到来が予想される今回は、延長措置は取られなかった。

国税庁では現在、同免許の期限が切れた後、1ヵ月以内に「酒類の販売数量等報告書」を所轄税務署に提出する必要があるため、失念しないように呼び掛けているのだが、4月15日まで確定申告期間中だけに、飲食店経営者からは「店の経営だけでも大変な状況下、確定申告にも時間が取られる。さらに、報告書の提出というのはなんとかしてほしい」と、不満の声も少なくない。中には、免許の期限到来について失念してこれまで通り、テイクアウトで食事とお酒を販売している経営者もいるという。

「あまりにもお役所仕事…」不満の声高まる

国税庁では、引き続き、酒類の小売販売を行うことを希望する事業者は「一般酒類小売業免許」を取得するよう呼び掛けているが、このコロナ禍において手間のかかる申請手続き求めることに、飲食店経営者の不満の声は更に大きくなっている。

というのも、料飲店等が一般酒類小売業免許を取得するには、経営状況に関する要件等に加え、飲食用に提供する酒類と小売販売する酒類を場所的・帳簿的に明確に区分するといった要件がある。また、免許付与に際して、登録免許税(免許1件につき3万円)を納付する必要がある。税務署の標準的な処理期間は2ヵ月(書類の補正等に要する期間を除く)と言われ、「あまりにもお役所仕事で、このコロナ禍での状況を分かっていない」との声も多い。

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