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最終更新日:2021-02-28

国税当局 7月の人事異動 コロナ禍の評価は一体どうなる・・・

  • 2021/02/27
  • 2021/02/28
国税当局 7月の人事異動 コロナ禍の評価は一体どうなる・・・

2021年(令和2年分)の確定申告は、新型コロナの影響を受け、1カ月延長され4月15日までとなった。確定申告が一息つくころには、国税当局内部は、一気に“人事”に関心が高まるが、「昨年はコロナ禍の影響で税務調査も抑制したことから、勤務評定にあまり差がなくビックリ人事はあまりないのでは」との声も聞かれる。

コロナ禍の影響で無難な人事に落ち着く?

確定申告シーズンが終われば、税務署の職員の関心は一気に人事に移る。国税庁の人事異動は7月。基本的に2年で人事異動になるため、昨年異動がなかった職員は、今年動く確率が高くなる。4~5月頃から人事が固まってくるため、コロナ禍以前なら、この数カ月は最後の追い込みで実績アップを狙う職員もいる 。

ただ、今年は、「昨年からのコロナ禍の影響で、税務調査も自粛したことから勤務評定に大きな差が出ない。去年1年というよりもこれまでの評価が重視され人事が行われるのではないか」(都内税務職員)と話す。そのため、ビックリ人事も少なくなり、「無難な人事に落ち着きそう」というのが大方の現職職員の見方だ。

ある程度の役職になると、次のポストで今後の出世が見えてくるため、公務員とはいえども、次にどこのポストに就くかが重要になる。国税当局の職員は約5万7千人。組織体制は完全にピラミッド型だけに、上にいけばいくほど、狭きポジションだ。出世は実力だけではなく、どれだけ上司に引き上げてもらえるか、人間関係も実は重要。総務省幹部の接待問題でマスコミ報道された女性官僚は「飲み会や会食など決して断らない」として人脈を広げたようだが、女性だけでなく男性もこうした部分が重要視される。

官僚だけでなく、現場のノンキャリも同様。なかには、上のポストにつけなくても、上司に可愛がられている職員は、実績を残せるポジションに横滑りさせてもらい、2年頑張って実績を上げ、再度出世路線に戻してもらう人もいると言われる。

多くのノンキャリ職員が目指すポストは税務署長。とはいっても、東京国税局(東京・神奈川・千葉・山梨)管内でも税務署は84署しかない。全国でも524署だけに、署長の座を射止められる人はごく一部の人。さらに、税務署にも格があり、どの税務署の署長につくのかも、実は職員にとって大きな意味があるのだ。

国税当局 7月の人事異動 コロナ禍の評価は一体どうなる・・・

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