最終更新日:2025-02-08
令和7年度税制改正大綱 所得税と住民税の「違い」に注意
- 2025/02/08
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自民党・公明党の令和7年度税制改正大綱が決定。いわゆる103万円の壁関連では「物価上昇局面における税負担の調整」として、所得税の基礎控除額、給与所得控除額、扶養控除の一部引上げ等が明記された。
基礎控除と所得控除は10万円引上げ
大綱では、基礎控除と給与所得控除は10万円引上げられ、それぞれ58万円、65万円に。そして特定親族特別控除が創設され、19歳以上23歳未満で所得が58万円超123万円以下の同一生計扶養親族(特定扶養親族)がいる場合、一定金額が控除できることとされた。
ここで注意が必要なのが、所得税と住民税の違いについて。税制改正シーンにおいて住民税は所得税に歩調を合わせることがあり、前回の基礎控除引上げ時には所得税に合わせて住民税も10万円引上げられ、給与所得控除の最低額についても所得税に合わせて10万円引下げられた。しかし、令和7年度改正では対応がまちまちとなっているのだ。
令和7年度税制改正大綱では、住民税の基礎控除引き上げについては明記されておらず、現行の43万円が継続される見込み。一方、給与所得控除の最低保障額については住民税についても10万円引上げと明記されている。また、特定親族特別控除については所得税と同様に住民税にも創設されるが、親族等の合計所得金額控除額95万円以下に対応する部分の控除額については、所得税が合計所得金額に応じて63万円、61万円、51万円と段階的に設定しているのに対して、住民税は一律45万円であるなど違いがある。
なお、所得税基礎控除の10万円引き上げにともなって、各種控除の判定要件になる「合計所得金額」についても軒並み引き上げられることになる。具体的には、同一生計配偶者および扶養親族の合計所得金額は、現行の48万円以下から58万円以下に。ひとり親の生計を一にする子の総所得金額等の合計額の要件も48万円以下から58万円以下になる。勤労学生の合計所得金額要件は現行の75万円以下から85万円以下に。家内労働者等の事業所得等の所得計算の特例における必要経費の最低保障額は55万円から65万円に変わる。
これらの改正は令和7年分以後の所得税(個人住民税は令和8年分以後)からの適用。ただし源泉徴収については令和8年1月1日以後に支払うべき給与・公的年金等からの適用となる。つまり令和7年分については年末調整での対応でOKということになり、源泉徴収義務者への配慮もうかがえる。
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税界よもやま話
元税理士業界の専門紙および税金専門紙の編集長を経て、TAXジャーナリスト・業界ウォッチャーとして活躍する業界の事情通が綴るコラムです。




