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最終更新日:2023-04-09

令和5年地価公示 コロナ前への回復傾向顕著

  • 2023/04/09
令和5年地価公示 コロナ前への回復傾向顕著

はじめに

国土交通省はこのほど、令和5年の公示地価を公表した。新型コロナの影響で弱含んでいた地価は、地域や用途などにより差があるものの都市部を中心に上昇が継続。地方においても上昇範囲が広がるなど、コロナ前への回復傾向が顕著となった。

地方圏でも2年連続で上昇

地価公示とは、地価公示法に基づいて、都市計画区域等における標準的な地点の毎年1月1日時点の1㎡あたりの正常な価格を国土交通省土地鑑定委員会が判定・公示するもの。公示価格は一般の土地の取引価格の指標になるとともに、公共事業用地の取得価格の算定規準にもなる。国税庁が毎年公表している相続税や贈与税の算定基準となる「路線価」は、公示地価の8割程度を目途に評価している。

令和5年の地価公示は、全国26,000地点を対象に令和5年1月1日時点の価格を調査。1年間の地価動向をみると、全国平均では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも2年連続で上昇し、上昇率も拡大した。

三大都市圏では、全用途平均・住宅地は、東京圏、大阪圏、名古屋圏のいずれも2年連続で上昇し、上昇率が拡大。商業地は、東京圏、名古屋圏で2年連続で上昇し、上昇率が拡大するとともに、大阪圏では3年ぶりに上昇に転じた。

地方圏では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも2年連続で上昇し、上昇率が拡大。地方四市(札幌市・仙台市・広島市・福岡市)では、全用途平均・住宅地・商業地のいずれも10年連続で上昇し、上昇率が拡大している。その他の地域では、全用途平均・商業地は3年ぶり、住宅地は28年ぶりに上昇に転じた。

用途別にみると、住宅地では、都市中心部や生活利便性に優れた地域では、低金利環境の継続、住宅取得支援施策等による需要の下支え効果もあり、住宅需要が堅調で地価上昇が継続。生活スタイルの変化による需要者のニーズの多様化により、郊外部にも上昇範囲が拡大している。

一方、商業地では、都市部を中心に店舗需要が回復傾向にあり、また、堅調なオフィス需要やマンション用地需要等から地価の回復傾向がより進んでいる。三大都市圏や地方四市等の再開発事業等が進展している地域では、利便性・繁華性向上への期待感から地価上昇が継続している。国内来訪客が戻りつつある観光地や、人流が回復しつつある繁華街では、店舗等の需要の回復が見られており、多くの地域で地価は回復傾向にある。

令和5年地価公示 コロナ前への回復傾向顕著

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