最終更新日:2023-02-13
「AI-OCR」使うとどれだけ”時短”図れるの!? 検証動画を公開
- 2023/02/11
- 2023/02/13
記帳入力作業の効率化が話題になるなか、昨年10月に開催された会計事務所博覧会2022で注目されたのが、通帳・領収書・請求書のスキャンデータを読み込むと、AIが仕訳データを作成してくれる働き方改革ツール「SPRAI」(スプライ)。実際にどれだけ時間短縮が可能なのかの検証動画が話題を集めている。
1.忙しい時にこそ導入メリット大
会計事務所の業務効率化を支援する(株)Solutions11(東京・中央区)では、昨年10月開催の会計事務所博覧会の会場で行った「AI読み取り」サービスのデモンストレーションが好評を得たことから、改めてYouTube動画を作成し、公開したもの。
これは、通帳3ページと領収書52枚の合計121仕訳を、アナログ(紙を見ながら)で入力した場合と、デジタル(AIを利用)で作業した場合のどちらが時短となるかの検証。
一般的には「スキャンするより紙を見ながら入力した方が早い」というのがベテラン職員の見方だが、昨今のIT技術の進化によると、果たしてそうとも言い切れないようだ。
電子帳簿保存法やインボイス制度が導入されると、業務の負担がさらに増すため、効率経営を目指すには、会計事務所のデジタル化を促進させるなどの働き方改革が必要とされる。そのため、「入力作業のデジタル化を、AI-OCR機能を持つSPRAI(スプライ)を用いて、どの程度効果が期待できるのかを知ってもらいたかった」(同社担当者)と動画公開のきっかけを語る。
2.アナログ作業の約半分近くで処理
では実際に、どの程度の効果が望めたのだろうか。
結果としては、デジタル作業はアナログ作業の約半分近くの作業時間となった。さらに、デジタルの方は画像データが画面に表示されるため、視線の移動が画面内に収まり、入力作業者の首の動きが小さくなり、肩こり等身体への負担が軽減され、より作業が効率的になるという効果も見込めるという。
また、AIが仕訳化の解析にかかる時間については、「弊社のAI読取サービスSPRAIですと、1枚当たり数秒で自動的に解析されます。100~200枚程度であれば、データを解析にかけ、コーヒーを淹れて戻ってきたら解析が終わっているというような時間感覚で、ほかの業務を行うことができます」(同)という。
こうしたAIを利用する最大のメリットは、なんといっても入力作業の時間の短縮が望めることで、浮いた時間は付加価値業務や残業時間の削減にもつながる。さらに画像データを共有すれば、在宅ワークで原本を持ち帰ることなく入力作業を行うことができる。
今回の検証で使用したSPRAIには、様々な種類の通帳や領収書を解析できる特徴がある。類似サービスではあまり解析されない手書き領収書や、医療費の領収書もSPRAIでは解析できるとのこと。また、直感的に入力やコピー&ペーストが出来るのも大きな特徴で、一度入力した情報を記録し再利用することができる「一括設定」という機能を使うことで、2回目以降からは手入力の必要頻度を減らしていくことができる。運用次第では簿記の知識のないスタッフでも仕訳入力を行うことができるようになるという。
3.事務所見学会でもデジタル化の効果をPR
会計事務所の業務が増える一方で、顧問料の値上げ要求もなかなか切り出しにくい事務所も多いが、同社担当者によると、「顧問料を据え置く代わりにスキャナーを渡して顧問先にスキャンしていただくように提案してみてはいかがでしょうか。今後、資料は郵送せずスキャンしてください、と伝えれば毎日資料のスキャン画像が会計事務所に届き、作業の平準化にもつながります」とメリットを語る。
このような様々な電子化の提案をしている同社では、「さくら中央税理士法人 事務所見学会」という無料セミナーを毎月開催し、会計事務所の電子化を幅広く支援している。
※検証動画はこちらから
https://www.youtube.com/watch?v=5jt-bVJtpXM&t=84s
※医療費の領収書の検証動画はこちら
https://www.youtube.com/watch?v=-1xGoe9Noxk&t=71s
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