業界のトレンドをつかむ「会計 ビズライン」

会計事務所博覧会

注目ワード

最終更新日:2021-03-06

ミカタスが会計人材の調査
最大の悩みは「スタッフ育成」

  • 2021/03/03
  • 2021/03/06
ミカタスが会計人材の調査最大の悩みは「スタッフ育成

「いい税理士をあたりまえに」をビジョンに掲げるMikatus(株)(ミカタス、東京・中央区、代表取締役社長=田中啓介氏)が、全国の会計事務所を対象に実施した「税理士業界における人材・採用・教育に関する実態調査」によると、コロナ禍における会計事務所の人材について、興味深い実態が浮き彫りになった。

6割近くが「在宅勤務」を容認

クラウド会計ソフトのベンダーから税理士業界の変革者へと生まれ変わったMikatus(ミカタス)が実施した今回のアンケートは、インターネットにより105件の回答を得た。

回答事務所の全体像について、規模別でみると小規模(3名以下)、中規模(4~10名)、大規模(11名以上)がそれぞれ約1/3の割合で、年齢別では「50歳以下=52名」「ベテラン51歳以上=53名」という構成。代表税理士を除くスタッフの平均在職期間は5年超が半数以上。 60%近くの事務所で在宅勤務を認めており、二極化が進んでいる。 

また、繁忙期における平均残業時間は80時間以上が20%超と最多回答に。その一方で全体の平均残業時間は40時間台にとどまり、多くの事務所で業務量を適切にコントロールできているようだ。

人材に関する最大の悩みは「スタッフの育成」

今回の調査の結果、約半数の会計事務所がスタッフの育成状況に課題を感じていることが明らかになった。採用活動中の事務所は多くはなく、人材の定着に成功している実態が浮き彫りになった半面、採用活動中の事務所では約半数が苦戦しており、特にハイエンドの人材採用に苦戦していることがわかった。

まず、人材に関する悩みや課題感について、共通する最大の悩みは「スタッフのスキルアップ」で60%を超えた。また、人材に関する悩みがない事務所は全体の1/4程度だった。次にスタッフの教育環境については、事務所の半数以上にスタッフの育成担当がおらず、教育方針がない、もしくは、手の空いている職員が担当していることがわかった。

スタッフの育成に対する課題については、回答にばらつきがあり、多様な課題がある様子が見て取れたが、その中でも「自発性・積極性・成長意欲」といったスタッフの素養に依る課題が最も多いという結果に。

人材に関する悩みや課題感について

人材採用活動 事務所の約半数が苦戦中

コロナ禍で採用活動も停滞気味にあるなか、現在の採用活動については、全体の70%超の事務所が採用活動を行っておらず、直近3年間の採用実績は正社員(無資格)に集中している。募集方法(重複回答可)としては、半数以上が利用している求人広告とハローワークが多かった。採用中の事務所の約半数が苦戦しているが、採用が長期化している事務所はさほど多くなく、約半数近くが1年以内の短期の募集となっている。

一方、スタッフの離職(直近3年間)の状況については、40%超の事務所が3年間の離職がゼロであり、ある程度人材の定着に成功している様子が見て取れた。なお、離職理由としては、人間関係、待遇、キャリアチェンジ、労働環境など多様な理由が挙がった。

ミカタスが会計人材の調査最大の悩みは「スタッフ育成

「いいね!」をしよう