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最終更新日:2023-05-29

会計業界内で注目される「健康経営」認定事務所が増加中でイメージアップ

  • 2023/05/29
会計業界内で注目される「健康経営」認定事務所が増加中でイメージアップ

経済産業省と日本健康会議が毎年共同で選定する「健康経営優良法人」の2023年度認定法人がこのほど公表され、会計事務所業界では全国52の税理士法人が認定された。会計事務所向けの人材採用サイトなどでも「健康経営」を事務所のポリシーに掲げるケースが目立ってきており、認定事務所も年々増える傾向にある。

全国で52事務所が認定受ける

この「健康経営」について、昨年は43の会計事務所・税理士法人が認定され、うち2年連続は32事務所。
今回、全国で52の事務所が認定され、そのうち新規で認定された事務所数は17となっている(数値はいずれも本紙独自調べ)。
また、健康経営優良法人の中小規模法人部門で、2021年より創設された認定法人の中でも特に優良な上位500社に与えられる「ブライト500」には今回、(株)イワサキ経営(静岡・沼津市)、(株)鯨井会計(茨城・つくば市)、小谷野税理士法人(東京・渋谷区)の3事務所が選ばれた。
「ブライト500」にも選出された小谷野会計グループは、2017年より「ホワイト企業になろう」をキャッチフレーズに、「従業員の健康、ワークライフバランスを大切にする職場環境づくりに努めております」と、5年間連続で「健康経営優良法人」の認定を受けている。

「健康宣言」で働き方改革にも有効

地域におけるDX推進を積極的に展開し、今年創立 50 周年を迎える(株)イワサキ経営は、数年前より社員間のコミュニケーションの活発化を目的としたフリーアドレス制の導入や、週1回のノー残業デーの設定、定期健康診断の受診、ストレスチェック等、全職員がいきいきと働けるための環境づくりで健康経営に取り組んでいる。このほか、喫煙所を撤廃し敷地内全面禁煙(電子タバコ含む)を宣言したり、企業対抗の「ウォーキングイベント」への参加、行政とコラボした健康セミナーも開催するなど、多くのメニューをこなすことで「健康経営」をアピールする。そんな先進的事務所ですら、「健康経営」という言葉が社内で理解されるのには2年ほどかかったという。
(株)鯨井会計は、2021年よりグループ内に安全衛生委員会を発足させ、「鯨井会計グループ健康宣言」を実施。健康診断受診率100%や2次健診勧奨、受動喫煙防止などに取り組むとしている。

DX推進、メンタルヘルス対策なども実施

また、今回初めて認定法人となったセブンセンス税理士法人(静岡・静岡市)は、静岡を本拠地として国内11拠点で活動を展開、DX化の推進で知られている。同法人では、デスクワークで凝った身体をほぐすため、座ったまま15分でできるストレッチやマッサージなどをデジタルサイネージを利用して全社で実施するなど、健康経営促進に力を注いでいる。
2021年から健康経営の認定制度取得に挑戦し、今回初めて認定を受けた税理士法人新日本筒木(東京・新宿区)では、定期健診100%受診・再検査等費用全額補助・ヘルスリテラシー教育の実施・ウォーキング推奨(8,000歩を目指す会)・メンタルヘルスの外部相談窓口の設置等を掲げ、社員が心身ともに健康的に働くことのできる職場を目指している。
「健康経営」の認定事務所の多くは、定期健康診断受診率の向上や生活習慣予防、メンタル対策、女性の健康保持・増進に向けた環境づくり、働き方の改善、コミュニケーションの促進、従業員の感染症予防に向けた取り組みなどを健康経営の重点目標に掲げる。
これまで会計事務所経営においてあまり重視されなかった「健康経営」。顧客のためになる良い情報を提供することが会計事務所の使命であり、健康経営の啓蒙はそれに値する価値がある。サービス業としての会計事務所にとっても「健康経営」は重要な位置づけになっていきそうだ。

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