最終更新日:2022-11-22
中企庁のインボイス支援に熱視線 手厚くなるIT導入補助金や小規模事業者持続化補助金
- 2022/11/22
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インボイス制度のスタートがいよいよ来年10月に迫り、これまで静観してきた事業者の多くがここへきて対応に追われている。
デジタル化支援で充実した補助金
インボイス制度(適格請求書等保存方式)においては、仕入税額控除の要件として、原則、適格請求書発行事業者から交付を受けた適格請求書(インボイス)の保存が必要になる。インボイスを発行できるのは「適格請求書発行事業者」に限られ、この適格請求書発行事業者になるためには、登録申請書を提出し、登録を受ける必要がある。いま、多くの事業者が重い腰を上げ、この登録申請の手続きを踏んでいるわけだ。
こうした中、中小企業庁はこのほど、「インボイス制度への対応に取り組む皆様へ 各種支援策のご案内(令和4年11月時点版)」とするリーフレットを公表。手厚くなるIT導入補助金や小規模事業者持続化補助金の最新情報を案内している。
IT導入補助金は、インボイス対応を見据えたデジタル化による事務負担軽減をバックアップするもの。「デジタル化基盤導入類型」では、令和4年度第2次補正予算において補助下限額を撤廃。会計・受発注・決済・ECソフトに加え、PC・タブレット・レジ・券売機等のハードウェア導入費用も支援することとしている。
具体的には、会計ソフトや受発注システム、決済ソフト、ECソフト等のITツールの導入について50万円以下(補助率3/4以内)、50万円超350万円以下(2/3以内)を補助。PC等の導入については10万円以下(1/2以内)を補助。レジ等について20万円以下(1/2以内)を補助する。対象となる経費は、ソフトウェア購入費、クラウド利用費(最大2年分)、ハードウェア購入費、導入関連費(ソフトウェアの更新等保守サポート費含む)など。
一方、小規模事業者持続化補助金は、課税転換に伴う販路開拓支援策のこと。小規模事業者等が経営計画を自ら策定し、商工会・商工会議所の支援を受けながら取り組む販路開拓等の費用(税理士等への相談費用を含む)を支援する。免税事業者からインボイス発行事業者に転換する事業者(インボイス転換事業者)に対し、令和4年度第2次補正予算において、全ての申請枠で補助上限を一律に50万円上乗せることとした(最大250万円補助)。
具体的な補助上限枠は、通常枠では100万円。賃上げや事業規模拡大に取組む「成長・分配強化枠」と、創業や後継ぎ候補者等の新たな取組みである「新陳代謝枠」では250万円。補助率は基本的に2/3以内だが、成長・分配強化枠の一部の類型において赤字事業者は3/4以内とする。なお、インボイス転換事業者以外が申請した場合の補助上限額はそれぞれ50万円差し引かれるので注意が必要だ。
中小企業庁では、免税事業者を維持する事業者向けの情報として、免税事業者及びその取引先のインボイス制度への対応に関するQ&Aを公表しているので参考にされたい。
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