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最終更新日:2023-02-11

インボイス登録状況が簡単にわかるオンラインツール登場

  • 2023/02/09
  • 2023/02/11
インボイス登録状況が簡単にわかるオンラインツール登場

今年10月1日からのインボイス制度の施行に先立ち、取引先が適格請求書発行事業者かどうかを確認できるオンラインサービスが登場した。これにより、面倒な確認作業が一気に解消され、企業はもとより、企業を指導する税理士事務所や税理士法人にとっても、強力な“助っ人”となるツールになりそうだ。

1.登録状況をスパッと確認できる国内初民間サービス

公認会計士3名とITエンジニアが立ち上げたベンチャー企業の(株)トランザック(東京・新宿区)が開発・提供する「easy Invoice Check」(イージーインボイスチェック:https://www.transacc.jp/easy-invoice-check)は、国税庁が公表している「適格請求書発行事業者公表サイト」のWeb-API機能に基づいて、取引先がインボイス制度に登録したかどうかを簡単かつスピーディに確認することが出来るツール。取引先マスタなどのファイルをアップロードすれば、確認作業時間の大幅な削減ができる。また、国税庁の登録データとの自動照合を行うアンケート機能により、面倒な個人事業主の取引先のインボイス登録情報の確認にも効率化が図れるという機能を併せ持つ、日本初の民間サービスだ。

取引先が適格請求書発行事業者登録を行ったかどうかの確認を電話やメール、FAX、文書等ですでに顧問先とともに進めている会計事務所もあるが、多くの場合、この作業は確定申告後になると見られており、このツールを活用すれば面倒な連絡・確認作業の一括処理が簡単にできるという。

2.顧客マスタ整備にも威力を発揮

取引先がインボイス制度に登録したかどうかの確認は、国税庁の「適格請求書発行事業者公表サイト」で検索すれば可能だ。ただし、個別に調べるには法人番号が必要で、個人事業主に至っては登録状況を確認できない。ましてや大量の取引先ともなると、このサイトからの検索ではとても効率が悪い。また、取引先に登録状況を照会しても、正確な回答が必ずしも得られるとは限らない。登録されるまで何度も確認が必要で、新規登録や失効等などによる取引先の登録ステータスを定期的に確認する必要がある。会計事務所が顧問先から適格請求書の確認作業を依頼されたら、従来と違う作業の手間のほかリスクも伴うが、簡単に報酬値上げを要求できないのも現実だ。

こうした場面で威力を発揮するのがこのツールで、インボイス制度に登録していない取引先の確認ができるだけでなく、消費税申告における仕入税額控除への影響把握、顧客マスタに法人番号やインボイス番号を加えた顧客マスタの整備にも役立つ。

使い方は至って簡単だ。法人の取引先の場合、個別にチェックするには会社名または「会社名+住所」で簡単に登録状況が確認できる。より便利な方法としては、取引先マスターファイル(csvファイル)をアップロードすれば一括チェックも可能で、登録年月日、法人番号、国税庁に登録されている住所情報もダウンロードできる(機能1)。

3.アンケート送信機能の実装で確認作業が効率化

また、個人事業主の登録状況となると、法人番号がないため、確認には地道な作業が必要となる。そこで役立つのが、国税庁データベースとの自動照合機能を有するアンケート機能(機能2)。設定されたアンケートのメールフォームが配信され、送信記録や未回答先、回答内容の一覧を確認できるほか、その回答についてインボイス登録番号の真正性を国税庁のデータから簡単に確かめられるなど、個人事業主の確認作業が大幅に効率化できる。

料金プランは、従量課金(基本料月額3千円+1件単価20円×件数)と無制限(年間9万円)の2パターンで、現在、サイト上で無料トライアルを実施中だ。

4.問合せ急増!税理士との販売パートナーも

税制改正等によってインボイス制度の関心が高まる中、企業だけでなく、会計事務所からの問い合わせも増えているという。「顧問先には文書でインボイス登録確認作業を済ませているという九州の会計事務所からは、『この回答は現時点での結果であって、今年10月以降にインボイス登録をやめるケースも想定できる。毎月の記帳代行業務の際に毎回、事務所側でチェックしていくのは面倒。制度開始後にはこうした変更をしっかり把握していきたい』という貴重な声をお聞かせいただきました。それに対しては、3月をめどにステータス変更通知機能を付加していくとともに、さらには会計ソフトとのデータ連携機能などの新たな機能開発を進めて、幅広い会計事務所ニーズに応えていきたい」(トランザックの國塚裕太郎公認会計士=写真)という。

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会計ベンターがインボイス対応のシステム開発を進めるなか、先行して製品化した同社のシステムは、税理士の間で関心を集めそうだ。

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