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最終更新日:2023-10-25

国税庁 年末調整の扶養控除に注意喚起

  • 2023/10/25
国税庁 年末調整の扶養控除に注意喚起

はじめに

国税庁が早くも「令和5年分 年末調整のしかた」を公表した。注目すべきは昨年と比べて変わった点。「扶養控除の対象となる非居住者である扶養親族」の範囲が見直されているため注意が必要だ。非居住者とは、国外に住所があり、かつ、日本国内に居所を有しない個人のこと。例えば日本人であっても1年以上海外留学している場合は非居住者に該当することになる。

非居住者である扶養親族に3つの要件が加わる

昨年まで、扶養控除の対象となっていた非居住者である扶養親族は「16歳以上」のみだった。令和5年1月以降は、ここに3つの要件が加わる。
具体的には、16歳以上の非居住者である扶養親族のうち、30歳以上70歳未満の人については、留学生により国内に居所を有しなくなった人、障害者、扶養控除の適用を受けようとする所得者からその年において生活費または教育費に充てるため38万円以上の送金を受けている人、のみが扶養控除の対象となることになった。実質的に扶養している事実がないと扶養控除が受けられなくなったというわけ。
扶養控除の対象となる非居住者である扶養親族がいる場合には、確認書類を給与の支払者に提出(または提示)する必要がある。ここでいう確認書類は、扶養親族の種類によって異なるので注意が必要。
まず、非居住者である扶養親族がいる場合に必ず必要になるのが親族関係書類と送金関係書類だ。親族関係書類とは、戸籍の附票の写しおよびパスポートの写し、または、外国政府等が発行した戸籍謄本その他これに準じる書類、出生証明書、婚姻証明書など。送金関係書類とは、通帳や国外送金依頼書の控え、クレジットカードの利用明細書など。
また、30歳以上70歳未満の非居住者を扶養控除の対象とする場合には、さらに追加書類が必要になる。対象者が留学生の場合には、留学ビザや在留カードの写し。生活費や教育費に充てるため38万円以上の送金を受けている非居住者については、送金関係書類のうち、所得者からの本年における支払金額の合計額が38万円以上であることを明らかにする書類。送金日で判定するため年内送金で入金が翌年となった場合も含まれる。

国税庁 年末調整の扶養控除に注意喚起

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