最終更新日:2024-07-12
メルカリで商品仕入れ 匿名でも仕入税額控除可能?
- 2024/07/12

近年、お小遣稼ぎや断捨離などでメルカリやヤフーオークション等を利用するケースが急増しているが、その一方で古物商などの業者がこうしたフリマアプリ等で仕入れて販売するケースも増えている。こうした中、国税庁はこのほど、インボイス制度について「多く寄せられるご質問」を更新。フリーマーケットアプリやインターネットオークション(フリマアプリ等)により商品を仕入れた場合の仕入税額控除の取扱いを詳解している。
総額取引「1万円未満」なら仕入税額控除できる
古物営業を営む個人事業者がフリマアプリ等で商品を仕入れた場合、取引の相手方が匿名のケースでは仕入税額控除の適用を受けることができるのかという疑問が生じる。これについて国税庁では、取引総額が1万円未満であれば適用可能としている。これには古物営業法が深く関係している。
古物商がフリマアプリ等で棚卸資産として古物(準古物含む)を仕入れを行った場合、その仕入先がインボイス発行事業者以外であっても、帳簿に一定の事項を記載することで仕入税額控除が可能である(古物商等特例)。
古物営業法上では原則として、商品の仕入れ総額が1万円以上の場合、相手方の確認を行った上でいわゆる「古物台帳」に取引の相手方の住所、氏名、職業及び年齢を記載することとされており、インボイス制度の古物商等特例ではこれに準じ、これらの情報のうち住所及び氏名のみ帳簿への記載を求めている。
しかしフリマアプリ等からの仕入れとなると相手方が匿名のケースも多いため、古物商等特例に必要な住所・氏名の記載ができないことになるが、古物営業法では対価の総額か゛1万円未満の場合は古物台帳に相手方の住所、氏名、職業及び年齢の記載は不要とされているため、フリマアプリ等による取引が匿名で行われていたとしても、1万円未満であれば古物商等特例の適用は可能となる。ただし1万円以上の場合には、それらの記載が必要となってくるため、古物営業法に規定された方法により相手方の確認を行う必要がある。
また、1万円以上の準古物の仕入れで、メッセージ機能等で確認しても仕入先の住所、氏名、職業及び年齢が確認できないような場合や古物商以外の者がフリマアプリ等で仕入れた場合(古物営業に該当しないものに限る)でも、仕入税額相当額の一定割合を仕入税額とみなす「80%・50%経過措置」の適用を受けることは可能。その際、同経過措置の適用に当たり保存する必要がある区分記載請求書等に記載すべき「書類の作成者の氏名又は名称」や、帳簿に記載すべき「課税仕入れの相手方の氏名又は名称」については、「フリマアプリ等の名称及び当該フリマアプリ等におけるアカウント名」として差し支えないとしている。

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税界よもやま話
元税理士業界の専門紙および税金専門紙の編集長を経て、TAXジャーナリスト・業界ウォッチャーとして活躍する業界の事情通が綴るコラムです。




