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最終更新日:2023-05-29

インボイス登録の通知遅れ e-Taxで1カ月、書面提出なら3カ月かかる

  • 2023/05/29
インボイス登録の通知遅れ e-Taxで1カ月、書面提出なら3カ月かかる

執筆者

宮口 貴志

宮口 貴志

KaikeiBizline論説委員兼編集委員

税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は一般社団法人租税調査研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャー、TAXジャーナリストとして活動。㈱ZEIKENメディアプラス代表取締役社長。

令和5年10月1日からスタートするインボイス制度の開始まで残り5カ月切ったが、適格請求書発行事業者(インボイス発行事業者)の登録申請から登録通知が納税者に届くまで時間がかなりかかっていると言う。今後さらに遅れることが考えられるため早めの登録を心掛けたい。もし遅くなることが予想される場合は、対応策を検討しておきたい。

駆け込み申請が急増!

いよいよスタートまで5カ月を切ったインボイス制度だが、ここにきて駆け込みの登録申請が急増していることから、登録通知が納税者に届くまでにかなりの時間がかかっていると言う。国税庁によれば、5月中旬でこれから登録申請をしたら登録通知が納税者に届くまでの目安は、申請書をe-Taxで提出したら約1カ月半、書面で提出したら約3カ月程度かかることが予想されると言う。
今年の確定申告明けはe-Taxで2~3週間、書面で1~2カ月だったことからすると、かなり処理に時間が要していることが一目瞭然だ。今後はさらに時間がかかることが予想されるため、取引先等に登録番号を伝えることを考えると、できるだけ早く申請しておく必要がある。もし、令和5年9月末までに登録申請をしたものの、登録通知が10月1日までに手元に届かなかった場合、5年10月1日に遡って登録を受けたものとみなされるため、取引先は消費税の仕入税額控除を受けられるが、心配をかけないように、取引先には事前に登録通知が遅れている旨を伝えるなどの対応を心掛けたい。この場合、登録通知が届いてからインボイスを発行すればOKだが、登録通知を受けるまでの間は、暫定的な請求を交付するなどし、通知を受け取った後にインボイスを交付しなおすなどの対応をすると取引先も安心するはずだ。
顧問税理士としては、インボイスの登録通知が送れそうな顧問先に対しては、顧問先及びその取引先が混乱しないように、事前に対応について指導していきたい。

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