最終更新日:2022-11-30
自民議連 政府税調が示した「教育」「子育て」「住宅」の贈与税の特例廃止に待った!
- 2022/11/29
- 2022/11/30
目次 [閉じる]
令和5年度税制改正大綱の議論が活発になってきたが、相続・贈与税関係の見直しについては、自民党の一部議員連盟から、政府税制調査会と真逆な意見が出てきており、自民党税制調査会でどのようにまとめ上げていくのか注目される。
執筆者
宮口 貴志
KaikeiBizline論説委員兼編集委員
税金の専門紙「納税通信」、税理士業界紙「税理士新聞」の元編集長。現在は一般社団法人租税調査研究会の事務局長であり、会計事務所ウオッチャー、TAXジャーナリストとして活動。㈱ZEIKENメディアプラス代表取締役社長。
どこまで特例を認めるのか!?
現在、経済活性化等の観点から、祖父母から孫などへの贈与の特例として「教育資金の一括贈与に係る贈与税の非課税措置」「「結婚・子育て資金の一括贈与に係る非課税措置」「住宅取得等資金に係る贈与税の非課税措置」が設けられているが、これらの今後の取扱いが揺れている。
政府税制調査会(政府税調)では、総会を開催し、制度創設当初と比べ利用が低迷しているうえ、富裕層への恩恵が強く、世代を超えた格差の固定化に繋がりかねないとの理由から、すべて廃止の方向で意見が一致している。そのため、すべての特例が令和5年3月末に期限を迎えるのにあわせて廃止するのが妥当との見解をしめした。
こうした政府税調の意見と真っ向から反発したのが、自民党の人口減少対策議員連盟など。同議連では、「期限を延長するべき」と決議。同議連では、新型コロナウイルスの影響で婚姻や出生が減っているとして、「(特例措置を)廃止すると、少子化対策・結婚支援の観点から誤ったメッセージとなるおそれもある」と指摘している。
期限を延長するかどうかは、与党税調の税制改正の議論を経て今年末までに決まるが、高齢世代から若者への資産移転は、世代を超えた経済格差を生む要因にもなりかねない。どこまで特例を認めるのか、国民に向けたメッセージなしで12月中には決まっていく。
「いいね!」をしよう
- 最新情報をお届け!
- Follow @kaikeihaku
- Tweet to @kaikeihaku
クローズアップインタビュー
会計業界をはじめ関連する企業や団体などのキーマンを取材し、インタビュー形式で紹介します。
税界よもやま話
元税理士業界の専門紙および税金専門紙の編集長を経て、TAXジャーナリスト・業界ウォッチャーとして活躍する業界の事情通が綴るコラムです。